東京・上野の国立科学博物館は、ハチ公やパンダから零戦まで、大人も楽しめる博物館。常設展だけでも見所満載!

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東京・上野の国立科学博物館(科博)に行ってきました。

科博では常設展と特別展をやっており、今回は常設展だけの見学でしたが、常設展だけでも十分見応えがあり、満足しました。常設展の展示量はかなり多く、全てじっくり見ていたら1日かかりそうです。

ティラノサウルスはもちろん、ハチ公や上野動物園の(過去の)パンダ達にも会える上(剥製)、零戦あり、ミイラありの盛りだくさんの内容で、特に科学に興味ない人でも楽しめる展示内容が沢山あります。

また、科学博物館というと、やはり子供向けではないかと思ってしまいますが、確かに子供向けの内容もありますが、大人が見ても十分見応えのある展示になっています。

今回は、常設展の中で開催されている企画展「南方熊楠」も興味深い内容になっており、楽しめました。

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何度も行くならリピーターズパスがオススメ!安くて特典も沢山!

上記の通り、常設展をじっくり見るには一度だけでは物足りない感じです。

常設展では、発行から1年間、何度でも入館できる「リピーターズパス」を発行していて、何度も行ける(行きたい)人なら最初からリピーターズパスの購入をオススメします!

通常の入館料は620円(大人)ですが、パスの値段はかなりお得になっています。

筆者はギリギリセーフで(笑)1,030円で買えましたが、(残念ですが)2018年1月から値上げされて1,500円になるとのことです。

まあそれでも他の年間パスに比べればお得ですけどね。公共の施設なのでこういう点はとてもありがたいです。

リピーターズパスは、無料入館の他に、特別展の割引、館内のミュージアムショップやカフェの割引などの特典もあります。

特別展だと1,600円位するので、それと比べてしまうと常設展がかなりお得に見えてしまいます。また、パスを持っていると特別展の料金が安くなるようなので(と特別展によって違うらしいですが)、とりあえず持っているだけでもお得なのではと思いました。

「日本館」ではハチ公や「南極物語」のジロに会える!

科博は「日本館」と「地球館」に分かれています。「日本館」はその名の通り、日本の自然や生物について展示されています。

まず日本館のB1に入館すると、「フーコーの振り子」が展示されていたり、360度方向に映像が映し出される映像施設の「シアター360」があります。シアター360は子供に特に人気のようです。

階段を上って行き、1〜3階までが展示スペースになっています。2階の「日本人と自然」の展示室は特に人気があるのではないでしょうか。

縄文時代より前から始まって、時代ごとの日本人の様子が蝋人形で再現されています。かなりリアルに作り込まれているので、ついついじっくり見てしまいます。

ちなみに「現代人」のところはスペースが空いていて、見学者が中に入って写真を取れるようになっています。

同じ展示室に、忠犬ハチ公と「南極物語」で有名なジロの剥製がありました。写真下がハチ、右上がジロです。左上の犬は甲斐犬という種類の犬だそうです。このコーナーでは日本人だけでなく外国人観光客も含め、写真を撮る人が後を絶ちませんでした。

ハチのベルトにはちゃんと「ハチ号」と記されています。

ハチは秋田犬らしく体格の良い大きい犬で、顔がまさに我々の知っている「ハチ公」の表情でした。ハチのような大きな犬が毎日渋谷に来ていたら確かに目立ちますね・・。普通の家庭犬とまるで違いますし。

秋田犬は絶滅の危機が言われていますが、普通の人がペットとして買うのは難しいにしても、秋田犬のような凛々しい日本犬らしい犬はとても貴重だと思います。秋田犬はやはり人を惹きつけるような魅力があります。

樺太犬タロとジロの兄弟は、日本の南極地域観測隊に同行した犬ですが、南極に取り残されながら生き延びて、1年後(1959年)に救出されました。

ここで展示されているジロは発見された次の年(1960年)に南極で死亡しています(5歳)。一方のタロは日本に帰国し、長生きしたとのこと。タロの剥製は札幌の北海道大学植物園にあるそうです。

ハチにしてもジロにしても、生前の姿を想起させるような見事な剥製になっていますが、これまできれいに剥製にするのは大変なのだろうなと思いました。

さらに、日本では1981年に野生絶滅したトキの剥製も。トキの学名は「ニッポニア・ニッポン」という、これ以上ない日本日本した学名。これほど日本的な生物が絶滅してしまったということの意味はかなり重いと思いました。

同じ展示室内には、江戸時代の女性のミイラというのもあります。こちらは写真禁止になっています。日本でミイラというのは珍しいと思うので、貴重な展示でした。

「日本館」には首長竜のフタバスズキリュウやアンモナイトに、日本で初めて導入された天体望遠鏡も!

3階「日本列島の生い立ち」には、フタバスズキリュウの骨格のレプリカと化石の主要部の実物標本が展示されています。フタバスズキリュウは、1968年に福島県で当時高校生の鈴木直さんによって日本国内で初めて発見された首長竜です。

首長竜とは恐竜ではなく水生の爬虫類だそうで、骨格を見ると確かに恐竜とは違う感じがします。全長は約7メートルあるそうです。

この展示室にはアンモナイトを中心に化石もたくさん展示されています。

1階の「自然を見る技」では、明治13年に日本で初めて本格的に導入されたトロートン天体望遠鏡が入り口すぐに展示されています。イギリスから輸入したものだそうです。

なお、日本館のある建物は1931年に竣工した、ネオルネサンス様式を基調とした建物で、重要文化財になっています。重厚で歴史を感じさせる建物で、美術的にも素晴らしいです。

日本館の企画展「南方熊楠」が面白い!膨大なデータの収集・整理家としての側面をクローズアップ!

日本館では南方熊楠の企画展をやっており、これがとても興味深いものでした。熊楠の生誕150周年を記念して企画されたもので、「100年早かった智の人」という副題がついていました。

この企画展では、熊楠の日記や書簡、抜書(文献からの筆写)などが展示されていて、熊楠の生涯や業績が説明されています。

熊楠は「隠花植物(菌類・地衣類・藻類など)」の収集・記載や、大量の菌類の図譜を作成したりしました。隠花植物だけでなく、世界中の民話・伝説なども収集しました。非常に幅広い人と交流し、情報交換もよく行っていました。

南方熊楠(1867〜1941年)は、従来は森羅万象を探求した自然科学者という捉え方が一般的だったそうですが、今回の企画展では、膨大なデータの収集・整理家という捉え方の下に展示がされていました。

確かに、現在のネット検索・データベースの時代からすると、熊楠のやっていることは手動版のデータベース構築作業のように見えます。

熊楠が現代にいれば、天才情報科学者になっていたかもしれません。当時はコンピューターがなかったから、それ系の才能のある人は活かし方がなかったわけですよね。

熊楠は奇人としても有名で、様々なエピソードが残っていますが、凡人とはかけ離れた頭脳の持ち主であることは明白です。頭の良さがずば抜けていると言われる人には、頭の中に写真を撮っていくように本の全ページを記憶していく種類の人がいますが、熊楠もその種類の人でした。

コンピューター的な頭脳を持つ人は昔から一定数いると思いますが、現代はこの手の人たちにとって才能を発揮できる最高の環境ですね。コンピューターがなかった頃は、コンピューター的な頭脳を持つ人って全く使い道がなかったわけですし、熊楠のような例は例外的だったでしょう。

また、ジャンルは様々であれ、ひたすら収集することに生きがいを見出しているような男性って世界中どこでもいつでもいますよね。多くは資金力がないとできませんけど。熊楠は知的分野での収集欲が桁外れで、しかも頭脳も桁外れだったという。

しかも、熊楠は実家が商売で成功していたから、つまり生活できる資金があったから、定職につかず自分の趣味(?)に生涯没頭することができた訳で、生活のために働かなければならない状況であれば、この業績は生まれていなかったわけです。

歴史的にも、あまりに奇抜な業績はどの分野であれ、生活のための仕事をしなくてよかった人たちによることが多いですが、大きな発見・業績には生活環境ってとても大事なんですね。

多くの収集家と同様、熊楠も集めた膨大なデータで分析したり何かすることが目的ではなくて、収集そのものが目的だったようです。集めることが目的で、そこに100%のエネルギーを使っています。

そもそも収集することには膨大な時間もエネルギーもかかるので、収集家を極めればそれで終わってしまうことになります。何かの分野の研究で、データを収集して分析する、ということをする場合、エネルギー配分をしなければならない、ということですね。

例えば、何か本を書こうと思って資料を集め始めたが、収集と読み込みに時間とエネルギーがかかって、一向に本が書き始められない、とか、時間切れになって何も書けなかった、ということはよくあることのような気がします。

時間もエネルギーも限られているので、両方を完璧にすることはできないのですね。インプットもアウトプットも両方するには配分を考えなければならない、インプットが不完全でもアウトプットに移行しなければならない、というのはどの分野でも言えることかもしれません。

話が逸れましたが、熊楠の写本や書簡などを見ていると、ギッシリ字が詰まっていて、この人は常に頭の中がグルグル回転していて、常に何か書かずにはいられないという感じの人だったのだろうと思います。

熊楠は、意図して大量の資料を残したというより、自分の精神安定のためにひたすら情報を集め、文字を書いていたら結果的に大量の資料が出来上がった、という方が近いかもしれません。

熊楠の日記は、具体的な感情は書かずに日々の行動を記録している日記だそうで、予想通り・・という感じです。

熊楠のような思考タイプの人は(奇人とか記憶力のレベルは別として)、現代ではIT系などに割といるような気がしますし、珍しくはないと思いますが、熊楠の時代は生かすことが難しかったでしょう。他の分野でも言えますが、時代って大きいですね・・。

「地球館」はやはりティラノサウルスを始めとする恐竜から見に行こう!

日本館の展示を見終えたら、次は隣の建物の「地球館」に移動します。地球館はその名の通り、地球全体に関する展示がされていて、こちらもかなりの展示量があります。

日本館と比べると、スケールが大きくなった感じで、建物も現代的で、いかにも科学博物館!という感じです。ただ、日本館をじっくり見た後に来ると、少々疲れていますが・・。地球館は2015年にリニューアルされたそうで、設備も新しいです。

まずはB1「地球環境の変動と生物の進化」に行くと、科博に来た!と実感する、恐竜の骨格群が展示されています。おなじみティラノサウルスの他、トリケラトプスやアパトサウルス等の全身骨格が展示されています。

科学博物館=恐竜という刷り込みがあるせいでしょうか、特に恐竜好きではないのですが、これを見ないと何となく落ち着きませんでした(笑)。

1F「地球史ナビゲーター」では、ビッグバンに始まる壮大な138億年の時間の旅がアニメーションで映し出されています。

1F「地球の多様な生き物たち」には、上野動物園のジャイアントパンダ、ホアンホアンの剥製がありました。

ホアンホアンは1980年から上野動物園で飼育され、1997年に老衰で死亡しました。

上野動物園で生まれたトントンとユウユウのお母さんパンダです。

トントンとフェイフェイ(お父さんパンダ)の2頭の剥製は3Fに展示されていました。

下の写真の(おそらく)右がトントン、左がフェイフェイです。

なお、日本に所有権のある最後のパンダだったリンリン(2008年死亡、オス)も、確か科博に剥製があるはずですが、現在、展示はされていないようでした。

2F「科学と技術の歩み」には零戦が展示されています。戦闘機・乗り物マニアにはたまらないのではないでしょうか。この零戦はパプア・ニューギニアのラバウル沖で発見されたものだそうです。

2Fには、江戸時代の科学技術の展示コーナーもあります。写真の人骨は、すべて木製で、医学の勉強のために用いられたそうです。かなり精巧で、レベル高いですね〜。日本人はやはり細かい器用な作業が得意ですね。

3F「大地を駆ける生命」は、動物剥製の大群が展示されていて、迫力があります。一体一体じっくり観察したいくらいでした。

3F展示室の剥製の大半は、ハワイの実業家、故ワトソンT.ヨシモト氏(1909~2004)より寄贈された「ヨシモトコレクション」の一部だそうです。

ヨシモト氏はハワイのオアフ島で日系二世として生まれ、建築関係の会社を興して大成功した人物だということです。元々狩猟は家族の食料を得るために始めたものだとか。

3Fには親子の探検広場「コンパス」もあり、親子連れにとても人気のようでした。

最後に

日本館と地球館を全部回っていたら、閉館時間になってしまいました。科博は上記で紹介した他にも多くの分野の展示があり、科学に関心がない人でも面白いと思う展示が見つかるのではと思います。

重厚で歴史的な建物の日本館、現代的な地球館と、2種類の博物館を楽しめるのも良いです。常設展だけでもたくさん見るところがあるので、行ったことのない方はぜひオススメです!

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